「子」という字は、頭部の大きな幼児の形からきた象形文字です。

中国の『漢書』では、「子」は、繁殖する・うむという意味をもつ「孳」という字からきておており、新しい生命が種子の中に萌(きざ)し始める状態を表しているとわれています。

中国伝来の十二支は、もともと植物が循環する様子を表しているので、十二支の一番目にそのような意味をもつ「子」がくるそうです。

子供の頃に聞いた民話では・・・

神様が動物たちに御触れを出し、

「元日の朝、私のところに出掛けてきなさい。最初に到着したものから12番目のものまでを、1年交代でその年の大将にしてあげよう」

と言われたのを聞き、動物たちは、我こそが1番になるぞとはりきっていました。ところが、ネコは話を聞き漏らしてしまい、ねずみに尋ねるとわざと1日遅れの日付を教えてやり、ネコはそれを真に受けて帰っていきました。

元日になり、足の遅いウシが誰よりも早く夜明け前に出発しました。すると、牛小屋の天井でこれを見ていたねずみが、こっそりウシの背中に飛び乗りました。何も知らないウシが神様の家に行ってみると、まだ誰も来ておらず門も閉まったまま。自分が1番だとウシは喜び、門が開くのを待っていました。やがて朝がきて門が開くと、ウシの背中からねずみが飛び降り、ねずみが1番となってしまい、残念ながらウシは2番、それからトラ、ウサギ、タツ、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、トリ、イヌ、イノシシの順で到着しました。1日遅れで出掛けたネコは番外となり、それ以来ねずみを恨んで追いまわすようになったそうです。

この民話によると、ねずみはかなり頭がいい動物のようです。

 

職員が作った張り子のねずみの見本を置いていると

「これ何?」

と興味津々で見ておられ

「作ってみようかな?」

と入居者の皆様が作り始められました。

ガチャガチャのカプセルに紙を貼っていく作業をしながら

「何処にはればええかわからん」

「隙間があっても見えん・・・わからん」

と言われていましたが、貼っては乾かし貼っては乾かしを繰り返し作っていきました。

途中「これ私が作ってたかな?」「忘れとるわ」と大笑いをすることもありました。

最後、目やしっぽを付け「顔は書けれんわ」と職員が手伝いながら完成。

完成したねずみを見て「この顔を見てたら喧嘩しても笑顔になるわ」と喜ばれ居室に飾られています。